ある男が深夜の電車で、長いこと会わなかった、忘れられない人に次々と出会う物語です。
短編集ならではの味わいのある、意外な展開と不思議な物語をいかがでしょう。
TVの、世にも奇妙な物語、2007年春の特別編に収録された原作です。
短編集ならではの味わいのある、意外な展開と不思議な物語をいかがでしょう。
TVの、世にも奇妙な物語、2007年春の特別編に収録された原作です。
回想電車
それは終電車だったろうか。彼は酔っていない。酒というものを絶って、随分長くなる。
そろそろ、乗る客は少なくなって、1つ、駅に着く度に、2人、3人と車両から客が減っていく、その境目辺りに来ている…。
「あの-」
「何か?」
「失礼ですけど-さんでは?」
「そうです。失礼ですが-」
「やっぱり-」
「君…。驚いたな!-いや、笑うと昔のままだ」
「もうおばさんよ。座っても?」
この物語は、ある男が、深夜の電車で、昔の恋人、かつての同僚、助けたことのある女の子。
長いこと会わなかった、忘れられない人に次々と出会う物語です。
さて、このあと何が待ち受けていたのでしょうか?
その他の収録作品は
・手紙
・スキャンダル
・代理人
・ランチタイム
・自転車置場に雨が降る
・妻の眠り
・スターダスト
です。
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手帳
遅かったね、待ってたよ。一瞬、私はその手帳がそう言うのを聞いたような気がした。
これは、女子大を出て、ライターとして忙しく働いてきた女の物語である。
その日、私は、日の当たる喫茶店の中にいた。
「どうぞ、そちらの席へ」
「あ。-はい」
「ご注文は」
…
「アメリカンですね」
私は、テーブルの上にある、女性用のえんじの手帳の忘れ物を眺めていた。
その手帳…。中を見るのはいけないことだと想いつつ、しかしその誘惑には勝てなかった。
そこには、待ち合わせの場所がメモしてあるのだが、どこも知っている店ばかりである。
同じ業界の女性なのだろう。
私は、待ち合わせの時間に、その場所に行ってみることにした。
「お待ち合わせですか」
「え、ええ…」
「どうぞ、お捜しください」
「ありがとう。でも、まだ早いの。どこでもいいわ」
何しに来たんだろう、私は?
「-ここにいたのか」
「写真より美人だね」
「どうも」
「あの…あなたは?」
「僕は<K>だよ。それでいいんだろ?」
「じゃ、もう出ようよ」
私は、男とホテルに行ってしまう。我が身に起こったことを理解していなかった。
そして、この手帳のメモの場所に行くと、次々と色々な人に出会うことになる。
この手帳は何なのか?
私はどうなってしまうのか?
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スキャンダル
浅川ナオミは、いい加減酔っていた。売れていない、タレントである。
パーティで紳士とぶつかり、ソースをかけてしまった。
相手の紳士は、40代半ば、渋い好男子である。
酔った勢いも手伝って、紳士とパーティを抜け出し、そして、ホテルに行ってしまう。
そして、その後、紳士が官房長官であることを知る。
この出会いが、ナオミにもたらしたものとは? >>本をみる