島中瞳、18歳、T学園に通うバイオリニスト。
ひょんなことから自分のヴァイオリンを銘器中の銘器「ストラディヴァリ」にすり替えられる。
調査を始めた瞳の前に死体が。そして瞳はイギリスの情報部員に捕まった。
瞳、18歳の大活躍をご覧あれ!
ひょんなことから自分のヴァイオリンを銘器中の銘器「ストラディヴァリ」にすり替えられる。
調査を始めた瞳の前に死体が。そして瞳はイギリスの情報部員に捕まった。
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赤いこうもり傘
島中瞳、18歳、T学園に通う。娘の父は、国際的な天才ヴァイオリニスト、島中正雄。
イギリスに客演の帰路、飛行機事故で島中夫妻が死んだ時、日本の楽壇は大きな失望を隠しきれなかったものである。
そして、瞳は、現在T学園理事で、父の親友であった佐野のもとにいる。
今度、エリザベス女王来日のため、日英親善の演奏会が開催されることとなり、瞳は、T学園の高校オーケストラの第一ヴァイオリン(コンサート・マスター)として出演することになった。
その瞳は、電車の中でヤクザにからまれた女性を、勇敢にも助ける。
そのとき一緒に戦った?若者、裕二と知り合った。
2人は何となく次の駅で降りて、駅前の喫茶店に入る。
「フェンシング? そうか、それで…」
「もうよしましょう、そんな話」
「先生にばれたら、破門だわ」
「でも勇気あるねえ。大したもんだよ」
「じっとしてられないの、ああいうの見てると」
「そのために、そのこうもり傘、持って歩いてるのかい?」
「護身用でもあるけど、それだけじゃないの。死んだ父のプレゼントだから、いつも持ち歩いてるのよ」
裕二もヴァイオリンの心得があり、話ははずんだ。
そして、別れ際に初キッスを体験する。
ところが、帰宅後ヴァイオリンをケースから出すと、ヴァイオリンが入れ替わっている。
裕二がヴァイオリン・ケースの中身をすり替えたのだ。
瞳は、すっかりしょげて佐野に見せたのだが、驚いたことに、そのヴァイオリンは銘器中の銘器「ストラディヴァリ」であったのだった。
なぜ、裕二が「ストラディヴァリ」を持っていてすり替える必要があったのか。
瞳には、何がなにやら、さっぱり分からなかった。
翌朝、新聞をみるが盗難の記事はない。
好奇心を発揮した瞳が、新聞を詳しく見直していて、ある欄が目に止まる。
「求・VN・中古可。価格面談。迄連絡。クレモナ」
VNがヴァイオリンの略号である。
瞳は、「クレモナ」の名に引っかかった。クレモナはストラディヴァリだけでなく、アマティ、ガルネリといったヴァイオリン作りの名人たちがその作品を作った土地の名前なのである。
瞳はすぐに行動に移し、その広告主の場所に出かけた。
チャイムを鳴らす。
「留守かな」
「-あ、あの-すみません」
「あの-新聞の広告で見て来たんですけど…」
ドアから出てきた男は、「伯爵」と一言を残して死ぬ。
背中には深々とナイフが突き刺さっていた。
警察に連絡しようと室内に入った瞳の後ろから、靴音が部屋に向かってくる。
とっさに隠れた瞳の前には、イギリス人と日本人の2人組がいた。
「何てことだ!」
「デッド?」
「イエス」
「気の毒に…」
「彼は優秀だったのに」
「相手はよほどのプロだな」
「ナイフが変わっているな」
「ドイツの品だ。よく切れる」
…
男達が部屋を出た後、素早く廊下に出る。
しかし2人は気づいて待ち伏せていた。
瞳はこうもり傘で攻撃し、その隙に走る。
廊下が長すぎた。瞳は、腹へ拳の一撃を受け捕まってしまう。
気が付いた瞳が見たものは、
「英国大使館」
と、便せんに刷り込まれた文字だった。
2人は情報部員であったのだ。
そして瞳は、英国大使館にいた。
この後、こうもり傘の攻撃のフェンシングの腕を買われ、情報部員のジェイムズと仲良くなる。
こうして、謎のヴァイオリンすり替え事件と、殺しの事件に深く入り込んだ瞳の冒険が始まった。
瞳とハンサムなジェームズの、この先に待ち構えていたものは?
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